米国ナスダックとニューヨーク証券取引所に上場した5社についてまとめてみた。
・Clementia Pharmaceuticals
骨の病気の医薬品を開発するバイオ関連企業
・Venator Materials
二酸化チタンなどの化学製品を開発する化学企業
・RANGER ENERGY SERVICES, INC.
石油探索関連企業
・Zealand Pharma
2型糖尿病用の医薬品を開発するバイオ関連企業
・YogaWorks
ヨガスタジオやオンラインヨガを運営するヘルスケア関連企業
■Clementia Pharmaceuticals
・上場日 : 8/2/2017
・売上: なし、純損失606万ドル
カナダのモントレーに本社を置く、バイオ関連企業。骨の病気である進行性骨化性線維異形成症のための医薬品を開発している。現在製薬を開発している段階の企業であり、製品はまだ販売されていない。
米国では保健省(FDA)の認証を得ながら開発から販売までのプロセスを進める。
下の図は各製薬の認証プロセスを表している。プロセスはPRE-CLINICAL、フェーズ1,フェーズ2、フェーズ3、マーケット、と6つの段階がありすべて認証されれば企業は製薬の販売を開始することができる。
現在Clementia Pharmaceuticals 社の進行性骨化性線維異形成症(FOP)の製薬はフェーズ3であり、他2つの製品はフェーズ2、1つがフェーズ1となっている。
製薬が認証され市場で販売が可能になるまでのプロセスに注目したい。
■Venator Materials
・上場日:8/3/2017
・売上: 23億ドル、純損失9900万ドル
Venator Materials社はテキサス州に本社を置く化学企業である。世界の自動車メーカーなどを顧客に抱える化学企業であるHuntsman Corporationからスピンオフして誕生した。
Huntsman Corporation社の二酸化チタンの事業を引き継ぎ様々な化学製品を開発している。世界110カ国に事業を展開しており、4,500人従業員を抱えている。
同社の化学製品は農業、繊維、産業素材、製紙、製薬、インク、食品、プラスティックなど様々な分野で使用されている。
(画像: NYSE)
■RANGER ENERGY SERVICES, INC.
・上場日:8/7/2017
・売上: 2016年の売上は1.26億ドル、純損失は2210万ドル
同社は2014年に設立されテキサス州に本社を置く。石油探索、開発のサービスを提供している。現在74機の掘削装置を所有しており、新たに49機を購入する予定である。
世界の石油探索のマーケット規模は2020年までに$125B(約12兆円)と試算されており、その中でもシェールガス探索が成長を後押しするとされている。
■Zealand Pharma
・上場日:8/9/2017
・売上: 2016年の売上は3,300万ドル、純損失2200万ドル
Zealand Pharmaはデンマークのコペンハーゲンに本社を置き、2型糖尿病の製薬を開発するバイオ企業である。
同社の2つの糖尿病の製薬が米国FDAに認証され、今年初めより販売されている。2016年では米国では2930万人、人口の約9%が糖尿病を患っており市場は大きい。
販売開始から同社の売上は成長しはじめているが、利益がまだ出ていないというバイオ企業に見られがちな状況になっており、追加での製薬の販売開始がいそがれる。
上場で調達した資金はそれぞれ開発中の製薬開発に利用される予定だ。
(出所: Zealand Pharma)
■YogaWorks
・上場日:8/11/2017
・売上:5500万ドル、純損失950万ドル
YogaWorksは1987年に米国カリフォルニア州サンタモニカで始まったヨガクラスである。2012年にヨガスタジオの数は24店舗だったが2016年には50店舗のヨガスタジオが運営されている。
米国でも健康に気を使う人は増えており、2016年にYogaWorksに通った人は約300万人超えた。
またデジタルメディアのMyYogaWork.comも運営しており、月額15ドルでオンラインでヨガコースを受講することができる。
今回のIPOで調達した資金で今後18ヶ月間で新しく35店舗のスタジオを開設予定、長期的には250店舗まで拡大を目指すとしている。
(画像: YogaWorks)