国内外ともに上場ラッシュが続いている。11月19日に申請書類を開示したのが、ゲームプラットフォームの「Roblox」だ。
その業績は見事と言うほかない。売上高は2020年に入ってから急激に加速し、きれいな曲線を描いている。前年比91%増の2.4億ドルにのぼった。営業損失は限定的で、足元では0.5億ドル。
Robloxは、大人世代には分かりづらい会社の一つだ。ターゲット層は若いなんていうものではなく、ユーザーの54%が13歳未満のキッズたちである。
子供を相手にしながらも、Robloxが巨大な売上をあげられるのは何故なのだろうか?上場申請書類の内容を中心に、今回も紐解いてみよう。
公式の説明によれば、Robloxの歴史は1989年までさかのぼる。
創業者のデイビット・バシュッキ(David Baszucki)とエリック・キャセル(Erik Cassel)は2Dの物理シミュレーションソフト『Interactive Physics』を開発した。
この物理エンジンは、やがて世界中の学生によって使われるようになる。二台の車が衝突したらどうなるか、「壊せる」住宅を作ったり。若者の「創造性」を垣間見ることになった。
これを同じことを、もっと大きなスケールで再現しようとしたのがRobloxだ。創業は2004年なので、会社としての歴史は15年を超える。
バシュッキは現在57歳。てっきりイケてる若いエンジニア起業家が作ったと思ったのだが、実際には大ベテランだった。
スタンフォード大学を卒業後、いくつものソフトウェア企業を渡り歩いた。Interactive Physicsを開発したのはKnowledge Revolution社に在籍していたときで、同社は1998年にMSCソフトウェア社によって買収された。
Robloxは2004年に設立され、2006年9月にサービスを開始した。初めの頃に報道で話題になることはなく、子供達の間で密かに急成長させた。