PayPalのビットコイン参入は何を意味するのか?
ビットコインの価格が上がっている。
ビットコインの史上最高値は2017年12月につけた19,783ドル。このところの高騰では、価格が一時19,000ドルの大台を超えた。文字通り史上最高水準である。
ビットコイン価格の上昇は、投資家を中心に様々な関心を集める。とあるトレーダーは「エリオット波動」を論拠にビットコイン価格は近く74,000ドルに上昇すると主張した。
あまり「波動」なるものを信じる気にはなれないし、少なくとも科学的とは言えない。判断は読者の皆さまに任せるが、注目を集めているのは事実だ。
今回のブームにおいて、前回と異なる点が1つある。それはシンプルに「世の中が進んだ」ということだ。規制環境は整ってきたし、フィンテック企業による参入も相次いでいる。
今回はその中で、PayPalの動向についておさらいしたい。老舗のフィンテック企業はビットコインに何を見出しているのだろうか。過去の開示資料や報道をもとに考察してみよう。
PayPalの動きが話題になったのは、2020年10月に開示されたこちらのプレスリリースがきっかけだ。CEOのダン・シュルマンは次のようにコメントした(超訳)。