Afterpay:実家のジュエリー店からオーストラリア史上最速の成長企業に

現代版「後払い」特集の三社目は、オーストラリア発のAfterpayだ。

昨日特集したスウェーデンのKlarnaは2005年創業、PayPalマフィアのマックス・レブチンが創業したAffirmは2012年の創業。一方でAfterpayは2014年の創業と、この中では最後発のプレイヤーだ。

三社の中では最も激しく成長したのがAfterpayだが、一部では批判にもさらされている。考えてみれば分かるが、後払いはつまるところ「負債」である。簡単に使えるゆえに、危険性もはらんでいる。

Afterpayはどのように創業し、猛烈な成長を果たしたのか。直近の事業数値を交えつつ紐解いていこう。

実家のジュエリー店をEC化

創業者の一人であるニック・モルナー(Nick Molnar)は1990年生まれ。彼は生まれついての事業家だ。

両親はジュエリー店「Wynyard Jewellery」を営んでいた。ある時、弟のサイモン・モルナーがジュエリーのオンライン販売を始める。

サイモン(1992年生)はまだ11歳だったので、兄のニックに事業を手渡した。ニックはマーケティング面での才覚があり、オーストラリアで最大のeBayジュエリー店に育て上げてしまう。

父親がラスベガスに出張に行くときにはついていき、その場で米国最大のジュエリーEC「Ice.com」に直談判、オーストラリアでのブランド使用権を手に入れてしまう。

こうしてモルナー家では「Ice Online」としてEコマース販売に注力する。ニックが大学生になる頃、Ice Onlineは年間200万ドルの売上をあげていた

しかし、一つ大きな不満があった。購入完了に至る訪問者があまりに少なかったのだ。

購入率を劇的に引き上げる「後払い」

これを解決するために生まれたのが「後払い」というアイデアだ。

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