今回は企業のデータ分析を支えている「Talend」について見ていきたいと思います。
(ホームページより)
Talendは2005年、Bertrand Diard氏とFabrice Bonan氏によってフランスで設立されました。
データ総合プラットフォームの開発を始めましたが、独占的なアプローチをしていた既存大手ベンダーであるSAP、IBM、Oracleという巨大企業が競合相手でした。
顧客を獲得していくために、競合とは真逆の戦略である「オープンソース」かつ「分散型アーキテクチャー」という戦略をとりました。
「オープンソース」とはその名の通り、システムのソースコードを一般公開し、不特定多数の開発者が参加できるようにするというもので、OracleやIBMとは対局にあります。
「設計図共有サイト」ことGithubにもTalendのページがあり、108のリポジトリを公開しています。
こうして、Talendは世界初の商用オープンソフトベンダーとなりました。
2006年に「Talend Open Studio for data integration」をローンチ。
オープンソース企業であるTalendは無料のオープンソース版や試用版を提供することで見込み客を獲得していきました。
また、ダウンロードの大部分がアメリカであることを認識したTalendは2008年にシリコンバレー拠点を開設、アメリカでの成長を加速させました。
2012年にはビッグデータの市場機会が来ると予測し、大量データ向けの「Talend Big Data」をローンチ。
その後も成長を続け、2016年にナスダック市場に上場しました。
Talendの業績推移を見てみましょう。
2013/12期における売上高は5,308万ドルでしたが、2017/12期では1億4,859万ドルまで増加。
年々成長率も増加しており、直近では40.2%となっています。
しかし、売上増加に伴って営業損失も増加しており、2017/12期には2,873万ドルとなっています。
売上高と営業損失が増加している、Talendはどういう状況なのでしょうか?
今回のエントリではTalendの売上やコスト構造と財務状況を見ていきたいと思います。
世界のあらゆる市場において、データの分析・活用が重要となってきています。
データを分析するためには、「データを集める」「データを加工する」「データを書き出す」の3工程が必要になります。