レアジョブは、マンツーマンオンライン英会話「レアジョブ英会話」を主な事業として展開。フィリピン在住のフィリピン人講師と日本人ユーザーのマッチングを行い、Skypeを通じて英会話レッスンを提供している。2016年3月期の売上高は24億円、経常利益7936万円ほど。
ユーザーはレアジョブのウェブサイトを通じてレッスン予約を行い、時間になると講師がSkypeにより英会話レッスンを行う。
教室運営などの経費がかからず、通話料もかからないことで、ユーザーにとってはより安価にレッスンを利用できる。
連結従業員数は215名、そのうち本社には70名が所属している。
レアジョブ英会話を支える仕組みとして、次のような特徴がある。
講師の数を拡大する仕組み
講師は基本的に自宅からレッスンを提供するため、同一時間に提供できるレッスン数がオフィスの収容人数などに制限されない。講師の確保については、既存講師からの紹介が中心であり、レッスンを予約できない、ということが内容に講師・レッスン数をコントロールしている。
講師の質担保の体制
ユーザーからのフィードバックを実施し、講師にレッスンクオリティの向上を促すとともに、スタッフによる定期的なレッスンクオリティチェックも実施している。
レッスンのウェブ管理システム
レッスンに関する情報は全てサーバに保存されており、レッスン内容、レッスンの要望、英語力などのユーザーに関する情報が保存されている。講師が変わっても、講師間でのレッスン情報がスムーズに引き継がれ、レッスンの継続性を担保している。
レアジョブのユーザーの種類は以下の3つ。
①個人ユーザー
英語力の向上を目指す個人ユーザーに対し、TOEIC対策など目的に応じたレッスンをマンツーマンで実施。初級者向け教材から、ビジネスや学生向けなど、多様な無料コンテンツを保有し、レッスンを提供。
オフライン・オンラインのユーザー交流イベントも実施し、ユーザーの声をヒアリングすることでサービスの向上を目指しているとのこと。
②法人企業ユーザー
企業の英語研修サービスも展開。ビジネス英語のニーズに対応する「RareJob For Business」コースや、英語力測定のオリジナルテスト「RareJob Speaking Test」を提供。
社員と直接契約する福利厚生サービスもある。
③学校法人ユーザー
授業内での英会話の練習の場として、また授業の補助的な課外学習として導入されている。
ユーザーの種類ごとにどのくらいの収益を上げているのか、という情報は得られなかったので、決算説明会資料から近い数字をいくつか拾ってみた。
累積無料ユーザー数は見た感じ50万人に届かないくらい(右軸より)。
個人の料金プランは月額4200円、5800円、9800円から選べる。仮に一人平均5000円払ってくれるとすると年間で6万円。有料課金ユーザーが4万人いると24億円の年間収益になる(あくまでも試算)。
法人導入社数は785社。1社あたり年間どのくらい払うんだろう。仮に100万円とすると、785社で7.85億円(これも憶測)。
学校法人の導入は67校。こちらは収益割合としてはかなり低そう。
見た感じだが、現状では「個人ユーザー」「法人顧客」の2つがおもな収益源と思われる。完全に憶測だけど、有料ユーザーが3万人で18億円程度を稼ぎ、残り6億円弱が法人顧客という感じではないかな。憶測だけど。
最後に、完全に蛇足だけどミッションについて。
日本人1000万人が英語を話せるように、というのは上場企業の目標としては若干コンサバすぎるのではと思ってしまった。「英語を話せる」のレベルは多様なので一概には言えないが、どうせなら「全ての日本国民が英語を学ぶためのプラットフォームにする」くらいのことは言ってほしいなあと個人的には思った。