(前回のつづき)
2005年4月に最初の動画をアップロードしたYouTube。
はじめは当然、創業メンバー以外に動画を上げてくれる人はおらず、3人ともふてくされていました。「出会い系」っぽいコンセプトにしてみるも、やはりダメ。
結局は、真面目にユーザーの継続と流入を高める施策をとることで、成長に火がつくことになりました。
一度火がつくと、動画のアップロード数が増え、動画のアップロード数が増えると、その中に「ヒット動画」が含まれる頻度が拡大。こうして、瞬く間に人気プラットフォームとして注目が集まりました。
創業メンバーにとって意外だったのが、YouTube上でのコミュニティの広がり方。中でも象徴的なのが、「やってみた」動画の人気化です。
この動画は、2006年8月に投稿された「メントス+ダイエットコーク」の動画。「メントスを食べて、ダイエットコークを飲んだら、人間はどうなるのか」というアホらしい企画です。
興味深いのが全く同様の動画が続々とアップロードされたこと。いわば、動画への動画によるコメントのような形で、バズが生まれたのです。このようにして、数々の人気コンテンツがバイラルしていきました。
こうした反応は、創業メンバー側にとっても予測がつかないもので、彼らは「コミュニティがどうYouTubeを使っているか」を理解して、それに合わせていくような形で改善を進めました。
実際に導入されたのが、「動画による返信」機能。初期のYouTubeコミュニティでは、こうしたユーザー同士の役割がプラットフォームを盛り上げ、ユーザー獲得とエンゲージメントを加速させていきました。
もっとも、巨大プラットフォームになった後は徐々に「動画返信」の役割は薄れ、最終的にはクリック率(CTR)が0.0004%まで下がったといいます。こうして2013年、この機能は削除されました。
プラットフォームの成長とともに機能が変わっていく点が非常に興味深いところ。
話は戻って2005年11月、YouTubeはセコイア・キャピタルから350万ドルの出資を獲得。