保育所「さくらさくみらい」を運営する「さくらさくプラス」が9月24日、東証マザーズへの新規上場を承認された。上場予定日は10月28日となっている。
さくらさくプラスは、今年3月にも新規上場を承認されていたが、コロナ禍にともなう緊急事態宣言が業績に与える影響を懸念し、上場を取りやめていた。
足元の業績をみると、売上高は76億2,967万円で前年比48%もの拡大だ。経常利益は14億9,500万円で、こちらは前年とほとんど横ばいになった。
さくらさくプラスの損益計算書をみると、営業外収益として「補助金収入」が19億2,815万円も計上されている。反対に、営業利益は2億4,115万円にとどまっている。
保育事業の「補助金モデル」含め、どのような構造になっているのか。さくらさくプラスの新規上場申請書類の内容を中心にチェックしていこう。
さくらさくプラスのルーツは2009年、株式会社ブロッサムとして設立されたのが始まりだ。
翌年には埼玉県和光市にて家庭保育室「わこうさくらさくほいくえん」を開設。2011年には認「証」保育所「つきしまさくらさくほいくえん」をスタートする。
2014年に初の認「可」保育所を大阪に解説すると、その後は認可保育所を中心に拠点を拡大。2018年には運営施設の数が30、2020年には60に到達する。
創業者であり代表取締役社長の西尾 義隆氏は1973年生まれで、2000年にアイディーユー(現・日本アセットマーケティング)に入社した経歴をもつ。日本アセットマーケティングは、テナント賃貸などを扱う不動産会社だ。
さくらさくプラス(当時はブロッサム)でも、2018年に「さくらさくパワーズ」として不動産関連子会社を設立した。その1年後には(株)クロス、(株)プロフィッツ、Keeyls(株)の4社で合弁で「あかるいみらいアセット」を設立し、持分法適用関連会社とした。
さくらさくプラスの中心事業は、認可保育所の運営である。