出前館の成長戦略「営業赤字500億円」の向こう側について考える
フードデリバリーサービスを展開する「出前館」が伸びている。2021年9〜11月の売上高は103億円(前年比147%増)。コロナ禍突入にともなう「巣篭もり特需」を超え、なお拡大を続ける。
グラフは会計方針の変更前。今回よりネット売上に変更、主に配送料の値引きなどユーザー向けの販売促進費等の一部について売上から減額する処理に変更した。
一方で目立つのは、89.7億円にのぼる巨大な営業赤字だ。今期の業績予想は「500〜550億円の営業赤字」。これほどアグレッシブな先行投資を進めている上場企業は、日本国内には出前館をおいて他にないのではなかろうか。
消費者の視点に立てば、フードデリバリーの宣伝合戦には不思議に思うこともあるだろう。新たなサービスが生まれたら、まずやってくれるのは「初回無料クーポン」の配布。「消費者は得だけど、彼らは生き残れるの?」と不思議に思う方もいるはずだ。
今回の記事では、そもそも「フードデリバリー」という事業が持つ特質について改めて整理した上で、出前館がなぜこれほどまでに積極投資を進めているか、その成長戦略や勝ち筋について紐解く。