AI不動産査定コラビット カバー率95%・利用4000万件超「中古の流通を当たり前に」
日本で初めて、AIによる無料の不動産査定サービスを始めたコラビット(東京都港区)。国内世帯の95%が住む戸建やマンションに対応でき、査定数は累計で4000万件を超えた。100社以上の企業に対し、技術供与も実施している。
中古不動産の流通が「当たり前」になる未来を目指し、5月にはサービスを刷新。AI査定から、不動産売却を依頼する会社の比較や売却活動までまとめてできるプラットフォームへと脱皮を進めている。
足元では市場環境やライフスタイルの変化を受けて、中古物件の売買に関心を持つ消費者も増えつつある。同社の浅海剛CEOに戦略を聞いた。
2011年設立のコラビットは、AIが瞬時に不動産の価格を査定する「HowMa(ハウマ)」を2015年に始めた。「持ち家への諦めをなくす」(浅海氏)ため、誰でも資産価値を調べやすくし、中古物件の流通活性化を図っている。
利用者は専用サイトから間取りや面積など7項目を入力するだけで、無料で査定結果を確認できる。開始から7年、累計1億件に上る国内物件の売買情報を日夜収集しており、類似案件の直近のデータも反映させてAIが価格を算出する。
「HowMa」のサービス画面のイメージ=コラビット
人がほぼ住まず、物件の流通も極めて少ない過疎地域を除き、全世帯のおよそ95%が査定可能だという。国内では不動産会社に依頼するのが一般的だが、「営業される心配がなく、価値を知った上で売却を決められる」(同氏)。