SaaS連携データベース「Yoom」特集(上)ノーコードで情報集約 1千社利用
労務管理、会計処理、Web会議システムなど会社業務の効率化を目指す新しいサービスが次々に登場し、日本でも普及期にあるSaaS。先進の米国では、1社あたりの利用数が100に上るとも言われている。
しかし、個別の業務に最適化されたSaaSを「あれもこれも」と導入した結果、社内の情報が各SaaSに分散し管理がかえって煩雑になる例もある。SaaSによってUIや操作方法は当然異なり、覚える手間から社員に定着しない悩みを抱える企業も多い。
この困りごとを一手に解決する手段として、企業の規模を問わず急速に支持を集めているのがスタートアップのYoom(ユーム、東京都千代田区)だ。
複数のSaaSから情報を自動で集約するデータベースを提供し、企業はこのデータベースを通じて各SaaSを動かしたり、SaaS同士を連携させて業務フローを自動化したりできる。開始から1年で顧客企業は1000社を超えた。
創業した波戸﨑駿社長は誰でも簡単に使いこなせる「ノーコード」仕様にこだわり、「システム連携を民主化したい」と語る。SaaSを連携する単なるiPaaSにとどまらず、銀行サービスや行政システムともつながるデータベースハブに脱皮する未来図を描く。