10月からルール変更の「ふるさと納税」独立系2大サイト運営企業の経営に迫る
ふるさと納税に10月から、ルール変更が予定されている。
現行のルールは返礼品と送料、ポータルサイト手数料などをあわせ、寄付額の「5割以下」に抑えるもの。しかし実際は、寄付金受領書の送料のように扱いが曖昧な「募集外経費」が存在していた。
今後はこうした「隠れ経費」もあわせて5割以下に抑えることが義務付けられる。同じ金額での返礼品が減らされたり、値上がりする場合も少なくないことが予想される。
もう一つの変更が、熟成肉や精米の「地場産品」厳格化だ。異なる場所で生産された肉や米を、その地で加工(熟成・精米)したという理由で返礼品に含めることが難しくなる。
海外から仕入れた牛タンを加工して返礼品にするといった事例は数多く、探せばいくらでも見つかる。
ふるさと納税は2015年から受入額の急拡大が始まり、2022年には9,654億円(前年比16.3%増)と一兆円の大台に迫った。受入件数は同じく5,184万件(同16.6%増)だった。
経産省のレポートによれば、食品、飲料、酒類のEC(BtoC)市場規模は2.75兆円(2022年)。ここに「ふるさと納税」が含まれるわけではないようだが、かなりの需要が流れているのは概ね間違いないはずである。
今回の記事では、好調な二つの関連上場企業(アイモバイル、チェンジ HD)の業績を紐解くことで、「ふるさと納税」という特殊な市場の展望について考える。