給与支払管理SaaS「Paycom」がカニバリ上等で新プロダクトに注力する理由
今回取り上げるのは、給与支払管理ソリューション大手のペイコム・ソフトウェア(Paycom Software)だ。創業したのは、今もCEOを務めるチャド・リチソン。
リチソンは、高校から大学にかけてレスリングに打ち込んだスポーツマン。1993年に地元のオクラホマ中央大学を卒業後、世界最大の人事給与アウトソーシング会社であるADPに入社。若くしてシニアマネジャーに抜擢されている。
1998年に地元に戻ると、27歳でオンライン給与支払サービスを起業。Webベースのシステムとしてはパイオニア的存在で、Paycomは米国有数の企業に成長。オクラホマでは最も成功した企業となった。
ペイコムは2014年に株式上場を果たし、SaaSベースのHCM(人事管理)ソリューションとして成長。株式市場でも人気で、2014年に株式を購入すれば、2021年のピーク時には35倍に膨らんだ計算になる。
見事にアメリカンドリームを掴んだ同社だが、それから二年間の株価は低迷。2022年、2023年と続けて30%前後も下落し、投資家の資金を減らし続けている。