人工知能技術に関するアルゴリズムライセンス事業を展開するパークシャ・テクノロジー(PKSHA Technology)の通期決算が発表されました。
売上高は9億3400万円、営業利益は3億9500万円、営業利益率42.3%という結果でした。
連結決算となったのは今期からなので、決算短信には今期分の数値しか掲載されていません。
そこで、本エントリでは、パークシャの昨年以前の決算数値と合わせて結果をみてみたいと思います。
まずは全体業績の推移です。
パークシャ・テクノロジーは2012年10月に設立されたので、実はまだやっと5年経ったばかりという若い会社です。
前年の売上は4億5967万円、営業利益は1億5775万円だったので、今期はそれぞれ103%、150%ずつ成長していることになります。
続いて、コスト構造についてざっくり知るために、売上原価と販管費の対売上比率をみてみます。
売上原価率は30%から40%、販管費率は20%ちょっとという水準で推移しています。
続いて、資産の内訳をみてみます。
ものすごいグラフになっていますが、これは株式上場によって48億円の現金を市場から調達したためです。
そのことについて実際の数字を知るために、負債と自己資本の変化もみてみます。
資本金と資本剰余金がそれぞれ8005万円から25億円、7905万円から25億円へと大きく増加しています。
相対的には小さく見えてしまっていますが、利益剰余金もこの3年間で1億3328万円、4億1001万円、5億1618万円と積み上がっています。
最後に、キャッシュフローの状況です。
今期は財務キャッシュフローが48億円のプラスになっています。この内訳をみると、「株式の発行による収入」として48億円丸々もたらされていることがわかります。
また、フリーキャッシュフローの状況もみてみましょう。営業キャッシュフローから固定資産取得による支出を引くことで計算しています。
2015年よりも2016年の方がフリーキャッシュフローが少なくなっていますが、これは支払いのタイミングの問題です。
今期のフリーキャッシュフローは3億5840万円とかなり大きくなっていることがわかります。
パークシャ・テクノロジーの時価総額は上場から2倍以上に増加して1600億円を超えています。
PERでいうと604倍ということになるので、一般的な基準でいうとかなりの割高ということになりますが、今後も市場の期待を上回る成長を続けることができれば、さらに株価が上がっていくことになります。
今後、同社の業績がどのように変化していくか、引き続き注目していきたいと思います。