事業内容
ファーストアカウンティングは、AI技術を駆使して経理業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)、迅速かつ正確な会計処理、戦略的経理業務の実現を目指し、会計分野に特化したAIソリューション事業を展開しています。同社は、経理業務の効率化とリモートワークの推進を目的とした、RobotaシリーズやRemotaといったサービスを提供しており、これらはSaaS型のクラウドサービスとして提供されています。課金体系は、月額課金と読み取った帳票枚数に応じた従量課金で構成され、顧客の平均契約期間は約28ヶ月、LTV(Life Time Value)は78百万円に達しています。
Robotaシリーズは、請求書や領収書、通帳などの画像から必要な情報を読み取り、テキスト情報に変換するAI-OCR技術を活用したサービス群です。これにより、経費精算や請求書支払いの突合業務など、経理業務の自動化が可能になります。また、RemotaはこれらのRobotaを組み合わせて利用することで、経理業務の効率化とリモート化を実現するプラットフォームです。請求書の受け取りからOCR処理、自動仕訳、確認・修正作業、会計システムへの連携までの一連の流れを自動で行います。
さらに、ファーストアカウンティングはPeppolアクセスポイントのサービスも提供しており、デジタルインボイスの送受信を可能にしています。Peppolは国際的な非営利組織OPEN PEPPOLが管理するグローバルな標準規格で、同社はこの規格に基づいた電子取引をサポートしています。
同社の主要なターゲットは売上高500億円以上のエンタープライズ(大企業)であり、直接営業や販売パートナーを通じたアプローチ、さらにはOEMパートナーを通じた中小企業への販売ルートを持っています。2022年12月末時点で、エンタープライズおよびOEMパートナーへの導入社数は83社に達しています。
特集記事
経営方針
ファーストアカウンティングは、会計分野に特化したAIソリューションサービスを提供する企業として、経理業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。同社は、「制約を取り払うことで、自信と勇気を与える」という社会的使命を掲げ、顧客、従業員、社会に対して価値を提供しています。その成長戦略の核心には、エンタープライズの経理DX、顧客単価の高さ、マーケットシェアNo.1を目指す分野へのリソース集中があります。
具体的な成長戦略として、ファーストアカウンティングは生成AIの研究とサービス化に注力しています。ChatGPTに代表されるLLM(Large Language Model)を活用し、経理業務の自動化や意思決定支援サービスの開発を目指しています。また、Peppolの請求書送信機能を利用した請求書送付サービスの開発により、経理業務の効率化を図っています。さらに、海外展開を視野に入れ、外国籍人材の採用や海外の請求書フォーマットへの対応を進めています。
同社は、自社内でのAIプロダクト開発体制、パートナーセールス体制、アナログ/デジタル両面の経理帳票への対応という3つの要素を通じて競合優位性を維持しています。これらの戦略により、ファーストアカウンティングは経理DX市場において、顧客のニーズに応える高付加価値サービスを提供し続けることを目指しています。同社の取り組みは、経理業務の効率化だけでなく、顧客企業の戦略的な経理業務へのシフトを支援し、経済全体の生産性向上に貢献することを目的としています。