Veritas In Silicoは、メッセンジャーRNA（mRNA）を標的とする低分子医薬品の創出に取り組む企業です。同社は、従来のタンパク質を標的とする創薬技術では対応できなかった様々な疾患に対応可能な新しい創薬アプローチとして、mRNA標的低分子創薬を推進しています。このアプローチは、有効な治療薬や治療法がなく未だ満たされない医療ニーズの充足につながることが期待されています。

Veritas In Silicoは、自社で少数のパイプラインを保有するのではなく、独自の創薬プラットフォーム「ibVISⓇ」を活用し、複数の製薬会社と共同で創薬研究を実施する「プラットフォーム型」のビジネスを展開しています。このプラットフォームは、インシリコRNA構造解析技術を用いることにより、mRNAを創薬標的としたターゲット探索が可能になり、実用的な低分子化合物のスクリーニング法と合わせて、同社の創薬プラットフォームの基礎となっています。

また、同社は、将来の事業の多角化のため、インシリコRNA構造解析技術を応用した各種RNA関連創薬の取り組みも開始しています。これにより、同社は、様々な疾患に適応可能であり、がん領域、中枢神経、各種希少疾患の順に多くの疾患領域での創薬アプローチが可能であると考えています。特にがん領域の割合が突出しており、中枢神経疾患の割合ががん領域に続いています。これらは、製造コストが低く巨大な市場にも供給可能であり、BBBを通過できる低分子医薬品の強みを活かせる疾患領域であると考えられます。

Veritas In Silicoは、メッセンジャーRNA（mRNA）を標的とした低分子創薬の分野で革新を目指しています。同社の経営戦略は、独自のプラットフォーム技術「ibVISⓇ」を核として、製薬会社との共同創薬研究を加速・拡大することにより、短期的に事業収益の安定化を図ることにあります。2023年6月には武田薬品との提携を皮切りに、国内外の大手製薬会社とのパートナーシップを拡大し、事業の成長を目指しています。

中期的には、技術開発と専門人材の獲得・育成を通じて、製薬会社が担う創薬研究プロセスも自社で実施する体制を構築します。さらに、共同創薬プロジェクトに加え、自社でパイプラインを創出する「ハイブリッド型」ビジネスモデルを展開し、企業価値の最大化を目指します。

長期的には、創薬研究に特化したバイオテク企業から、研究開発・販売機能を備えた製薬会社（スペシャリティファーマ）への業態転換を計画しており、持続的な事業成長を目指しています。この戦略は、短中長期の各成長ステージに合わせた適切な経営を行うことで、社会に貢献し、企業価値を高めることを目的としています。

Veritas In Silicoは、mRNA標的低分子創薬の将来市場の見通しを踏まえ、ビジネスモデルの変革を通じて長期持続的な成長を達成することを目指しています。同社は、この革新的なアプローチにより、未だ満たされない医療ニーズに応え、新たな治療法の提供を目指しています。