事業内容
築地魚市場は、水産物の卸売業と売買を主要事業として展開している企業グループです。このグループは、築地魚市場本体及び7つの子会社で構成されており、生鮮加工水産物の委託販売、加工、販売を行っています。具体的には、築地魚市場が生鮮加工水産物の委託及び買付販売を担当し、共同水産株式会社と株式会社キタショクが加工及び販売を、築地市川水産株式会社が販売をそれぞれ行っています。また、東市築地水産貿易(上海)有限公司は、中国・上海市で中国向けの水産物販売業務を手掛けています。
附帯事業として、築地魚市場グループは冷蔵倉庫業務と不動産賃貸業務も展開しています。冷蔵倉庫業務は、株式会社東市ロジスティクスが築地魚市場の所有設備を用いて行い、築地企業株式会社が荷役作業を担当しています。不動産賃貸業務においては、築地魚市場及び共同水産株式会社が所有する不動産の一部を外部やグループ会社に賃貸しています。
このように、築地魚市場グループは、水産物の卸売りと売買を核としつつ、加工販売、冷蔵倉庫業務、不動産賃貸といった多角的な事業を展開しており、水産物の供給から加工、流通までを一貫して手掛ける体制を整えています。
経営方針
築地魚市場は、水産物の卸売業を核に、加工販売、冷蔵倉庫業務、不動産賃貸など多角的な事業を展開している企業グループです。同社は、国民の健康的な食生活への貢献を社会的使命とし、集荷力・販売力の強化に努めています。また、広範な機能を有する販売会社への転換を図り、新たな価値創造によってステークホルダーの期待に応えることを目指しています。
中期経営計画「SG-2023」においては、持続的な成長を目指す基本コンセプトのもと、機能面と商品戦略の両面で具体的な行動計画を策定しています。機能面では、物流の効率化、加工機能の強化、持続可能な漁業・水産物の認証を活かした商流の拡大、安全・安心基準のレベルアップ、新規投資の推進、多様な働き方を尊重した労働環境の改善などに注力しています。商品戦略では、鮮魚類・鮮マグロ類の品質にこだわり、養殖魚の取扱い拡大、荷主・メーカーとの協業による販売企画・商品開発の強化を目指しています。
経営環境の変化に対応しつつ、築地魚市場は、新型コロナウイルス感染症の影響や国際情勢の不安定さ、円安による輸入価格の上昇などの逆風に直面しています。これらの課題に対処するため、同社は中期経営計画の目標達成に向けて、業務筋への売上回復や平均単価の上昇を通じた売上高の増加、営業利益の改善に取り組んでいます。また、冷蔵倉庫業では、エネルギー価格の上昇に伴うコスト増加に対応するため、保管料の値上げを進めています。
築地魚市場は、持続可能な成長を目指し、経営基盤の強化と事業の多角化を進めています。同社の成長戦略は、水産物の供給から加工、流通までを一貫して手掛けることで、食品安全と環境保護に貢献し、社会的使命の達成を目指しています。