事業内容
沿革
1995年4月、ホームページ制作を主たる事業として設立し、1997年6月にウェブサイトの受託開発を中心とした事業を開始。1998年8月、一般第二種電気通信事業者を取得し、1999年5月、中小企業事業団より「平成10年度課題対応新技術研究調査事業委託企業」に認定されたことにより、「WEBCAS」の本格的な研究開発を始める。
2001年10月にメール配信システム「WEBCAS e-mail」、2002年2月にアンケートシステム「WEBCAS formulator」を発売の後、同年6月に「WEBCAS」ASP事業を開始。2003年1月、日本証券業協会のグリーンシート エマージング銘柄に指定される。2004年2月、ホスティングサービスを開始し、同年10月、中小企業基盤整備機構より「ビジネスアイデア支援モデル事業」に認定される。
2005年10月、東証マザーズへ上場を果たす。
2006年4月、㈱東京テレマーケティングと合弁で子会社を設立するも、2008年2月、経営資源を強みのある領域に集中させるため同子会社を解散。翌年3月に「WEBCAS SaaS」を発売。2013年、アンケートシステム高機能版「WEBCAS formulator PRO、スマートフォン向けフォームデザイン最適化ツール「SFO for WEBCAS」等を発売。2016年には、データベース作成システム「WEBCAS DB creator」、電子レシートメール送信サービス「レシートメール」、CRMシステム「WEBCAS CRM」他複数を発売。
2016年8月、東証マザーズより東証二部に変更。2017年12月、東証一部に変更となる。2018年、ECサイトを運営する「株式会社ままちゅ」を子会社として設立。2020年には大阪オフィスを開設している。
事業内容
エイジアグループは、(株)エイジア、連結子会社である株式会社FUCAおよび株式会社ままちゅ、持分法適用会社である株式会社グリーゼにより構成され、「WEBCAS」シリーズを中心とした各種アプリケーションソフトの設計・開発・販売・運営を事業分野としている。
「WEBCAS」とは(株)エイジアのCRMアプリケーションソフトの名称で、企業・団体がインターネットや電子メールを介して顧客と強固な関係を築き、効率的・効果的なマーケティング活動を行うためのe-CRMアプリケーションソフトウェアシリーズである。
顧客一人ひとりの趣味嗜好やライフスタイルに合わせたコミュニケーションを、電子メールを介して実現できるほか、インターネット上の顧客満足度調査や新規顧客獲得目的としたキャンペーン機能や、顧客からの電子メール経由の問い合わせ対応業務を効率化する機能など、顧客の満足度向上、関係強化に寄与する各種機能を用意している。
事業区分は主に4つあり、内3つは「WEBCAS」シリーズに関する事業である。「WEBCAS(ウェブキャス)」シリーズを中心としたアプリケーションの企画・開発・販売・保守を行う「アプリケーション事業」、「WEBCAS」シリーズを活用したメールマーケティングのプランニング及びメールコンテンツの企画・制作、アンケート設計や顧客分析等を行う「コンサルティング事業」、「WEBCAS」シリーズの付加機能開発、ホームページ・ウェブコンテンツの企画・制作、各種システムの受託開発・保守を行う「オーダーメイド開発事業」となっている。そして4つ目はベビー服ECサイト「べびちゅ」の運営を行う「EC事業」である。
1つ目の「アプリケーション事業」では、「WEBCAS」シリーズの企画・開発及び販売、そして保守を行っている。現在「WEBCAS」シリーズは、メール配信システム 「WEBCAS e-mail」をはじめ、顧客管理システム、SMS配信システム、WEBアンケートシステムなど9つのラインナップで構成され、提供形式としてはサーバー導入型とクラウドサービス(SaaS・ASP)がある。
2つ目の「コンサルティング事業」では、「WEBCAS」シリーズを活用した4つのメニューを提供している。具体的には、インターネットマーケティングのプランニング、メールコンテンツの企画・制作、アンケート設計、顧客分析、そしてホームページ制作である。
3つ目の「オーダーメイド開発事業」は、「WEBCAS」と関係する業務システムやホームページなどを個別にオーダーメイドで開発する事業となっている。主には、「WEBCAS」アプリケーションのカスタマイズ、そしてウェブサイト・企業業務システムの開発・運用・保守の2つに軸を置いて行っている。
そして4つ目の「EC事業」は、WEBCASの主要ターゲットであるEC事業において売上アップをするための施策等を研究し、WEBCAS製品開発へフィードバックすることを目的に事業買収したセグメントである。主には仕入れ販売形態をとっており、一部、オリジナル製品の企画・販売を始めており、オリジナル製品は生産委託形態を採用している。
経営方針
株式会社エイジアは、「クライアントに満足を買ってもらいたい」を経営理念として掲げ、「クライアントの満足」を判断基準として企業活動を推進している。 ビジョンとしては「メールアプリケーションのエイジア」から「eコマース売上UPソリューションを世界に提供するエイジア」へ、を掲げ、ソリューションシステムに加えてコンサルティングサービスも併せて提供し、トータルソリューションを世界へ拡げていくことを目指している。
経営課題
課題としてはまず、「収益力の更なる向上」を掲げている。エイジアグループは、ここ数年、従来主力であったアプリケーションソフトのライセンス販売に比べ1案件当たりの単価は低いものの、安定的に売上を計上でき利益率も高いクラウドサービス(ASP・SaaS)へのシフトを進め、収益構造の改革を行ってきた。この取り組みによって収益の安定度は大きく向上しており、今後もこの取り組みをより一層強化していくことによって売上高営業利益率の向上を目指すとする。
また「販路の拡大」のため、製品やサービスのコンサルティングから導入サポートまで一貫して行えるパートナーの育成や、他企業との業務提携にも取り組んでいくとしている。
「ブランド力の強化」もまた市場シェアの拡大のために重要であるとし、従来のインターネット上のリスティング広告に加え、ニュースサイトやポータルサイト、雑誌などへの広告掲載、イメージキャラクターの採用、経営者や社員の露出度を高めることによる認知度の向上など、多角的にブランド力向上を推進していく方針だ。
「メッセージ配信最適化ソリューションの構築」も課題として掲げ、eメールソリューションを中心に主にマーケティングエンジンとしての機能を強化してきた「WEBCAS」シリーズに、eメール以外の「LINE」や「SMS」といった様々なメッセージ配信方法を最適に活用できるプラットフォームに進化させていくとする。
その他には、ソフトウェアプロダクトの品質強化や、コーポレート・ガバナンス体制の強化、人材の活用・育成などの課題を掲げている。
経営計画
エイジアグループは、メールやLINE、Webアンケート等を通して企業と顧客の双方向コミュニケーションを支援するマーケティングコミュニケーションシステム「WEBCAS」シリーズを、大企業や官公庁を含む全国4,000社以上の企業に提供している。
競争優位性を高めていくには、これまで培った大量・高速のメッセージ配信技術を活かし更に既存製品の利便性や機能追加をしていくことが重要であるとしているが、既存事業(既存製品)だけでは継続的な成長を今後も維持し続けることができないリスクがあることも認識しており、既存製品に並ぶ主力事業となる新製品の開発やM&Aを通じた新事業の創出が重要な経営テーマであるとしている。
このような状況を踏まえ、新たな事業成長パートナーとして、ファンド運用会社である日本成長投資アライアンス株式会社との資本業務提携を締結し、同社の協力を得ていきながら革新的な成長を目指していく方針である。
中長期経営計画としては、「既存事業の飛躍的成長」、「新規事業『もう1つの柱づくり』」、「財務戦略の最適化」を3本柱とし、既存事業の主力であるクラウドサービスを従来の10~15%成長の水準から 25%成長の水準まで引き上げ、M&Aを中心に新規事業開発を取り組み、そのための資金として潤沢な資金を準備し積極的な成長投資を行っていくとしている。